みなさん、こんにちは。
さっそく、本日の横浜ビー・コルセアーズの情報をお届けします。
ビーコルやBリーグの経営状態
先日のエントリーの続きから。
資料は以下のページから確認することが可能だ。
B.LEAGUE 2018-19 シーズン(2018年度)クラブ決算概要発表のお知らせhttps://t.co/xM2b9jL7Gh#Bリーグ
— B.LEAGUE(Bリーグ) (@B_LEAGUE) November 25, 2019
株式会社横浜ビー・コルセアーズの第15期決算についてご報告致します。 詳細はWebサイトをご覧ください。https://t.co/PIsNKOBEbo#ビーコル
— 横浜B-CORSAIRS (@b_corsairs) November 25, 2019
リーグ全体の経営状況をみる。
ビーコルに着目したいところだが、マクロな視点からみてみよう。
決算の概要『営業収入・世間への普及は伸びている』
まず紹介するのが、18/19シーズンの実績概要である。
ただ、あくまでも営業収入と入場者数に限ったことなので、安心はできない。
過去の決算との比較『B2の伸びがいまいちだが、全体では成長傾向にある』
Bリーグ全体でみてみると観客動員も増え、営業収入も増えているようだ。
リーグの収支状況『トータルでは損失が出ている』
ここまでは、収入面のおはなしであった。
次は支出について。
項目1の『営業収入』は先の通り。項目5の『営業費用』も膨れ上がっており、結果としてマイナスでの着地になっている。
B1クラブのみの収支状況
B1クラブのみを取り出したデータでも似たような状況である。
『営業費用』ってなに?内訳をみる。
足を引っ張っている『営業費用』とは具体的に何を指すのだろうか。
『営業収入』の内訳
- 入場料収入(チケット代)
- スポンサー収入(支援者援助)
- 物販収入(グッズ販売)
- ユース・スクール関連収入(月謝)
- 配分金(賞金除く)
- その他
『営業費用』の内訳
- 試合関連経費(試合環境のお金)
- トップチーム人件費(人を雇うお金)
- トップチーム運営経費(運営にかかるお金)
- グッズ販売原価(関連経費含む)(グッズ作成にかかるお金)
- ユース・スクール関連経費(受講環境にかかるお金)
- その他
- 販売費および一般管理費
ビーコルの経営状況をみる
全体の話はこんなところ。続いてビーコル単体での業績をみていく。
株式会社横浜ビー・コルセアーズ 決算報告(第15期)
業績に関するコメントも公式から引用している。
横浜ビー・コルセアーズの見解
スポンサー収入の増加を中心に8億円を超える売上を計上したものの、チーム・試合関連経費の大幅増加に加え、顧客サービスの向上を目的としたスタッフ人件費や、イベント経費の負担等が重く、大幅な営業損失を計上。加えて、旧経営陣に対する貸付金の貸倒償却が発生したことから2018-19シーズンは1億円を超える大幅赤字を計上する結果となった。
1億円を超える赤字で15期を締めたようだ。
コメントにあるように、スポンサー収入などで得た8億円は試合環境やCS活動、貸付金のあれこれに消えマイナスになったとのこと。
営業収入売上構成
『営業費用』も公式で載せてくれたっていいのに。
義務ではないのか。
気になるのは、前年と比べて100%未達の項目。
横浜ビー・コルセアーズの見解
- 入場料収入 昨年同等の動員実績もチケット単価の低下により売上減
- スポンサー収入 契約社数の増加と新規大口スポンサーの獲得により売上増
- 物販収入 アカデミー関連の買替需要低下により売上減 (制作・販売は外部委託のため、一部商品を除きクラブ計上はライセンスフィー分のみ )
- ユース・スクール関連収入 会員数増加と各種イベント(キャンプ・クリニック)への参加者増により売上増
- 分配金収入 チケット単価の低下により分配金減
- その他収入 ファンクラブ収入の増加により売上増
総括『今回は仕方がない赤字...?』
公式では載せていない営業費用を含めて見てみよう。
評価できるポイント
-
『ユース・スクール関連収入』は他チームと比較して特出している。
これは素晴らしい!!ユース等の育成はチームの色にもなり得る事業なので、 『育成といえばビーコル』とまで言わしめるほど突き進んでほしいものだ。日々の広報活動などが実を結んだか。
残念なポイント
-
膨れる試合関連経費。
横浜よりも大きい投資をしているのは『千葉』、『川崎』、『三河』、『名古屋』の4クラブ。 会計期がズレた、川崎は一旦置いておいて、ほかの3チームは業績は黒字あることを考えると先行投資すべき対象なのかは疑問なところ。 -
貸倒償却のダメージ。
損失を抱えてしまったのは痛い。ただこれで膿を出し切ったことになるのだろうか。 -
新たなファンの獲得が必要。
入場料収入が他クラブと比べ、低い。動員数は変わらず、チケット単価を下げた結果との見方だが、 下げたところで動員数も変わらないところをみるに『観客の固定化』が起こっていると推測できる。 試合に勝って、見ていて楽しいチームにならなければ新規のファンは増えない。 これから負ける試合を見にファンになろうなんていう殊勝な人がいればいいが。
全体に言えること
リーグの決算が赤字であることを念頭にいれると、ビーコルだけが特別酷いとは言えなさそうだ。 それでも健全な経営方針を執って黒字を出しているクラブもあるので、そこはフロントの手腕なのかもしれない。 ただ今回に限って言えば、貸付金の貸倒償却という特別損失じみたものもあったので今後に期待しておこう。
おわりに
結局、人が入らなきゃ運営は難しい。
クラブ運営って大変だ。まぁ18/19は膿を出したと考えて、次に期待だ。
代表取締役 植田哲也 コメント
Bリーグ4年目のシーズンは横浜ビー・コルセアーズにとってクラブ再出発のシーズンです。昨シーズンのB1残留プレーオフ敗退、Bリーグ参入以降初の大幅赤字決算を踏まえ、今季はクラブ全体の組織・体制を見直し、注力すべき点を明確にし、クラブ全ての活動を『チームの強化とホームアリーナ(試合会場)の賑わい』に繋げていきます。引き続き横浜ビー・コルセアーズに温かいご支援と熱いご声援をよろしくお願いします。
しっかり種を蒔いて欲しい。育成はもちろんのこと、広報とかキャンペーン告知のスピード感とか頑張って欲しい。
下記の記事を参考にした。ジャーナリストの記事は読み応えがあるのでぜひ。
軽い補足を入れて「概要の概要」を書きました。
Bリーグが昨年度の決算概要を発表 気になるB2の債務超過2クラブ(大島和人) https://t.co/qCdWShgWwv — 党首(球技ライター大島) (@augustoparty) November 26, 2019
今日は、ここまで!